Jason Lim · Johor Bahru property advisor

日本からジョホールバルの不動産を買う:ルール・費用・手続き・送金ガイド

← 外国人が購入できるジョホールの物件 · 日本の方向け購入ガイド · 2026年10月更新 · English version

シンガポールと橋でつながるマレーシア南部の都市、ジョホールバル(JB)。日本から物件の購入を検討している方に向けて、外国人が買える物件の条件、購入時にかかる費用、手続きの流れ、そして日本側で押さえておきたい外為法と税金のポイントを、現地の登録不動産エージェントの立場から整理しました。

外国人がジョホールで購入できる物件の基本ルール

マレーシアでは外国人も不動産を購入できますが、州ごとに条件が決められています。ジョホール州の主なルールは次のとおりです。

ルール日本の購入者にとっての意味
最低価格は原則RM100万住宅(コンドミニアム・土地付き住宅とも)は、1物件あたり原則RM100万以上が対象です。メディニ地区の一部住戸には過去に別の扱いがあったため、住戸ごとに弁護士へ確認します。
州政府の同意(コンセント)が必須外国人による購入はすべてジョホール州の同意が必要です。2025年7月1日以降、同意に伴う賦課金は物件価格の3%またはRM30,000のいずれか高い方(PTGジョホール通達1/2025)で、別途申請手数料がかかります。
購入できない物件ブミプトラ枠の住戸、低価格・アフォーダブル住宅、マレー保留地、平屋・1.5階建てのテラスハウス、農地は対象外です。
所有と居住は別物件を所有しても居住権は得られません。長期滞在にはMM2Hなど別の制度が必要です。
2026年10月時点の一般的なルールです。個別の物件は必ず弁護士に確認してください。

RM100万の物件を購入する場合の費用の目安

物件価格のほかにかかる主な費用を、RM1,000,000の住宅を例に計算しました。2026年1月1日から、外国人が住宅を購入する際の印紙税(譲渡時)は一律8%です(商業物件は4%)。

項目目安
頭金(10%〜)RM100,000〜
印紙税(外国人・住宅8%)RM80,000
弁護士費用(売買契約・名義移転)約RM11,250+SST(最初のRM50万に1.25%、次のRM50万に1%)
州の同意賦課金RM30,000(3%とRM30,000の高い方)+申請手数料
実費(登記・調査など)約RM2,000〜4,000
概算です。物件の種類や契約条件によって変わります。購入費用計算ツール(英語)もご利用ください。

売却時には不動産譲渡益税(RPGT)がかかります。外国人の場合、取得から5年以内の売却は譲渡益の30%、6年目以降は10%です。

購入の流れ(5ステップ)

  1. 条件の確認。価格、権利の種類、ブミプトラ枠でないかなど、外国人が購入できる住戸かどうかを確認します。外国人購入可否チェック(英語)も参考になります。
  2. 予約と弁護士の手配。住戸を決めたら予約金を支払い、マレーシアの弁護士が売買契約(SPA)を準備します。
  3. 州政府への同意申請。弁護士がジョホール州へ申請します。賦課金と手数料はこの段階で必要です。
  4. 代金の支払い。新築は工事の進み具合に応じた分割払い、完成物件は契約に定めた期日までに残金を支払います。
  5. 引き渡しと名義移転。鍵の受け取り、名義変更の登記をもって手続きが完了します。

日本からの送金と外為法のポイント

日本銀行の外為法手続きの案内では、居住者による海外の不動産(またはその権利)の取得は「報告が不要になる取引」に含まれています。つまり、物件を取得したこと自体についての外為法上の報告は、原則として必要ありません。

  • 3,000万円相当額を超える送金。居住者と非居住者の間の支払いが3,000万円相当額を超える場合は「支払又は支払の受領に関する報告書」が必要です。銀行経由の場合、書面なら取引日から10日以内に取扱銀行へ、オンラインなら20日以内に日本銀行へ提出します。手続きは送金する銀行で確認してください。
  • 銀行から税務署への報告。国外送金については、金融機関が「国外送金等調書」を税務署に提出する制度があります。
  • 本人名義の口座から送金。マレーシアの弁護士や銀行は資金の出所を確認します。購入者本人名義の口座から送金し、預金や送金の記録を保管しておきましょう。

日本の税金:申告と国外財産調書

  • 家賃収入は日本でも申告。非永住者以外の居住者は、国内外で生じたすべての所得が課税対象です(国税庁 No.2010)。マレーシアで得た家賃収入も確定申告が必要です。
  • 売却益と外国税額控除。海外の不動産を売却した利益も、国内の不動産と同様に日本で課税されます。二重課税は外国税額控除で調整でき、売却した年の確定申告に書類の添付が必要です(No.3560、No.1240)。
  • 国外中古建物の減価償却。令和3年分以降、国外中古建物から生じた不動産所得の損失のうち、簡便法などで計算した減価償却費に相当する部分は、なかったものとみなされます(No.1391)。
  • 国外財産調書。12月31日時点で国外財産の合計額が5,000万円を超える居住者(非永住者を除く)は、翌年6月30日までに国外財産調書を提出します。

内見のための渡航:ビザなし90日とMDAC

在日マレーシア大使館の案内によると、日本国籍の方は観光など(ソーシャルビジット)で90日以内の滞在であればビザは不要です。入国前には、マレーシア・デジタル・アライバル・カード(MDAC)の登録が必要で、到着の3日前から登録できます。

よくある質問

日本に住んだままジョホールの物件を購入できますか?

できます。契約書類の多くは弁護士とのやり取りで進められますが、本人確認や署名の方法は弁護士事務所によって異なるため、事前に確認しましょう。

RM100万未満の物件は買えませんか?

ジョホール州では外国人の最低価格が原則RM100万です。メディニ地区の一部住戸のように扱いが異なる場合もあるため、住戸ごとに弁護士へ確認します。

物件を買えばマレーシアに住めますか?

いいえ。不動産の所有は居住権につながりません。長期滞在をお考えの方はMM2Hの解説をご覧ください。

日本から送金する際、外為法の届出は必要ですか?

海外不動産の取得そのものは報告不要とされていますが、3,000万円相当額を超える支払いには支払等報告書が必要です。具体的な手続きは送金する銀行で確認してください。

マレーシアの物件を持つと、日本で何を申告しますか?

家賃収入や売却益は日本の確定申告の対象です。国外財産が年末時点で5,000万円を超える場合は国外財産調書も必要です。詳しくは税理士にご相談ください。

英語に自信がなくても相談できますか?

はい。短い英語のメッセージで十分です。翻訳サポートが必要な場合は、Jasonが手配を調整します。

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出典:日本銀行「外為法に基づく報告制度」(boj.or.jp)、日本銀行「支払又は支払の受領に関する報告書」、財務省「外国為替及び外国貿易法」関連ページ(mof.go.jp)、国税庁タックスアンサー No.2010・No.1240・No.1391・No.3560、国税庁「国外財産調書の提出義務」、国税庁「国外送金等調書」、在日マレーシア大使館 ビザ案内(kln.gov.my)、ジョホール州土地鉱山局(PTG Johor)通達1/2025、マレーシア内国歳入庁(LHDN)。本記事は登録不動産エージェントによる一般的な情報であり、法律・税務・外国為替に関する助言ではありません。弁護士・税理士などの専門家にご確認ください。執筆:Jason Lim(REN 84424、IQI Realty Sdn. Bhd. E (1) 1584/6)。